永遠なる殺しあい

約一カ月に及んだイスラエルレバノン民兵組織ヒズボラの戦闘が、ようやく終息へ動き始めた。国連安保理が採択した停戦決議を双方が受け入れたためだ。

「人とは、学習する動物である。」
この理念は確かに正しいと思うが、人の学習した頭脳が、憎しみや恨みなどの感情を抑制することはとても難しい。今回イスラエルが停戦したとしても、高確率で近々中東に戦争がまた起こり、人々が死んでいく。中東の人々は永遠に戦争という心配をしながら、憎しみ、憎まれて生きていくのであろうか。

自分の肉親や友達を殺された人物が、敵をいかに許すか。これが中東における大きな課題であることは間違いない。肉親を殺された日本人は、戦後アメリカ人をどのように考えてきたのだろうか?少なくとも、アメリカに対して大きな復讐を今まで実行しなかったのは確かである。(と言うか、幸にして出来なかったのである)。

世界中に存在している、永久に継続する憎悪のメカニズム。これを止めることができるのは一体誰なのであろう。少なくともアメリカではない。彼らの行いはとてつもない自己主義で尊敬されないものであり、そのような尊敬されない者の言い分を誰が聞こうか?いくら、経済力や戦力があろうとも、尊敬できない相手から誰も干渉されたくはない。

私は日本がその役目をすべきだと信じている。戦争をしないと誓った国であり、原爆を唯一落とされた国である。そして何より相応しい点は、日本人の大半がほぼ無信仰に近いか、一方の宗教に偏見することがないことだ。これは宗教も大きくかかわる紛争を調停する役割を担う要件としてとても重要なのである。

このように、未だ混乱する世界情勢で日本がリーダーシップをとり、紛争を失くす交渉を行い、人々の尊厳を守っていくことこそ、今後の私たちの役目であり、それでこそ尊敬されるようになるのではないだろうか。